🏠春の特別解放事業
厚真町軽舞(かるまい)地区にある軽舞小学校が閉校し、その校舎は今、
「軽舞遺跡調査整理事務所」として利用されています。
入口のドアを開けると正面には、いきなり厚真町で出土された土器を復元
したものが展示されています。しかも手に取って触ってもいいのです。
厚真町では、これまで何年もの間、発掘作業員を募集して多くの人たちの手で
遺跡発掘調査を行ってきました。
いくつもの遺跡があり、出土品は縄文土器から、シカの骨、アイヌ民族の
宝飾品など、多岐にわたる貴重な出土品が見つかりましたので、この場所に
展示して、間近で見ることができるのです。
入場は無料で、自由に入れますが、平日のみです。
玄関には、鳴り物が置いてあり、それを鳴らすと学芸員の方が出てきてくれます。
これは、縄文時代前期後半(約5100年前)の土器とシカ塚。
この頃からシカを食べていたようで、シカの骨を一か所に捨てていて
その骨が、いい保存状態で発見されたのだそうです。
他に類を見ない遺跡のようです。
旧校内には、至る所に様々な品が所狭しと展示してあります。
こちらは、昭和の時代に家庭で使われていた薬箱や黒電話、タンス、カバン
テレビなどで、奥には、石臼、鉄瓶などが置いてあります。
旧体育館の中にも、町民が寄贈した様々なものが見られます。
蓄音機やレコードプレーヤーのコーナーでは、実際にレコードを聴くことが
できます。
懐かしく思ったり、見たことがないものを見ることができたり体験したり、
充実した施設だと思いますが、軽舞遺跡調査事務所がこのように自由に
見学でき、どんなものが発掘されているのか公開されているということを
町民はあまり知りません。
こう書いている私も、実は全然知らなかった町民のひとりなんです。
私は、町の公募で今年1月から、週に1日、ここの施設の一室で、震災で
ダメージが大きかった厚真町の昔の文献を、旧漢字を現代の漢字に直したり、
文章を書き起こしたりするボランティアをしていました。
そのために訪れた建物の中には、こんなに色々なものがあるのかと知って
とても驚きました。
そして毎週ボランティアに行くたびに、学芸員さんが厚真町の歴史を学べる資料を
くれるので、厚真町の歴史や関わる人物にも興味を持ち、勉強することができました。
今回のイベントは、あまり知られていないこの施設を、もっと知ってもらいたいと
いうことなのかと思いますが、普段は休館日の日曜日に公開のイベントがありました。
私も、なかなか見る機会がなかった夫を連れて行ってきました。
話では伝えるのですが、実際に現物を見るとよくわかったと言ってましたのでよかったです。
いい企画だったと思います。
2023年6月9日