野良猫「ちゃいろ」の物語
2年前くらいから、うちの猫たちのごはんをこっそり食べに来ていた野良猫が
いました。いつもびくびくして、人間の顔を見るとさっと逃げていきます。
その当時は、うちには唯一のオス猫の「マルちゃん」がいました。よそ者が
くると果敢に戦いを挑んだりするのですが、どうも弱くてやられっぱなしでした。
この茶色い野良猫ともよくけんかをしていました。
もちろん、その時は、マルちゃんを守ってあげていましたので、茶色い猫を
追い払いましたが、こっそり納屋に住み着いて、ずっと敷地の中で暮らして
いました。
先住のマルちゃんと喧嘩さえしなければ、飼ってあげられるのに…と思いながらも
顔も体も傷だらけのマルちゃんを見ると、一緒には飼えないなぁと。
マルちゃんと茶色い猫が、いがみ合っていたりすると、いつも飛んで行って
マルちゃんを守っていましたが、その様子を裏山で暮らしているキタキツネ
が畑に降りてきてじっといつも見ていました。
いつも私が「ちゃいろ~!!」と追い払っているのを見ていたので、キタキツネ
が茶色い猫が通ると、追いかけて追い払うようになりました。
以前、アライグマの捕獲用の箱罠に間違って入ってしまったとき、逃がしてあげた
ことがありまして、その恩義に報いるつもり
なのかな…!?
そんなマルちゃんも高齢だったので、昨年の夏に虹の橋を渡りました。
その後、マルちゃんの後継として、茶色い猫をうちの子にしてあげることに
しました。
今まで冷たくされていたのに、急に優しくされても……と思っているかな。
名前もそのまま「ちゃいろ」
おじいちゃん猫だから、苦労して生きてきたんだろうなぁ。
これからは、うちで他のおばあちゃん猫たちとのんびり暮らしてね。
ちゃいろを、優しく呼ぶようになったら、キツネが追いかけなくなりました。
キツネの近くを通っても、ただ見ているだけ。
キツネはよーく見ているなぁ…。
近頃のちゃいろは、猫たちとはだんだん慣れてきて、ねこ部屋のペット
ヒーターの上でスヤスヤと寝ていたりします。
これからは、のんびり暮らしてね。
2025年4月11日